何を売るのか?

NRIコンサルティング部長の野田さんの話を聞いて考えたこと。


経営コンサルティングにおける営業、つまりコンサルティング前の段階では形ある商品を提示するわけではない。
あらかじめ商品が棚に並べられているコンビニやスーパーマーケットとは異なる。


では商品がないのに、なぜ売れるのか?
それは将来への期待、信頼感があるからだそうだ。
そもそもコンサルティング会社に丸投げしようとする会社は、うまくいくわけがない。
クライアント企業にいる人間をうまく丸め込み、共に働けそうという期待感を醸造することが重要なのだそうだ。



コンサルティングのプロジェクト初動において行われるプロポーザル。
いわば企画書。
ここでは「発注者の責任」と「受注者の権利」という概念が重要である。


「発注者の責任」
コンサルティング会社にgoサインを出したのだから、発注者としても責任を持ちますという考え方。
「受注者の権利」
…同意した作業を行えば正当に評価してくれますよねという権利。



自分も多少誤解していたのだが…
コンサルティング会社が約束するのは
課題解決という【成果】ではなく
こういうふうに考えればきっと問題解決の方法が見つかりますという【作業】だそうだ。


つまり、売り上げを上げるだとか、従業員の士気をあげることを約束するわけではない。
自分達が直接売るわけでもなければ、従業員をやとっているわけではないからだ。
あくまで案を提示する立場である。




話は変わるが、
自分の会社で売っている投資信託という商品についても同様なことが当てはまると思う。
商品ごとに決まった形はあれど、事前に利益を約束できるわけではないからだ。


当社は買ってくださる投資家の人との信頼感、期待感を共有できているのだろうか?
銀行や証券会社などの販売会社さんを通じて商品を売るわけだが、販売会社さんごとに異なる立場がある現状を考えると、販売の場面において当社と投資家との信頼感の共有を行うことは難しいであろう。



個別の商品特性を説明する以前に、会社の理念をばか正直に語ってみるのもいいかもしれない。




※帰りに乗ったタクシーの運転手さんに投資信託について聞いてみました。

Q.投資信託とかどうですか?
日本人は、ある程度まとまったお金ができてはじめて投資とか考えるんじゃないでしょうか?
やっぱり200〜300万くらいのまとまったお金ができてからですよね…。
預金に満足しているわけじゃないですよ。
投資にも興味はあります。



Q.分配金はどうですか?
すずめの涙ほどの額をもらっても正直、意味ないですよね。
だったら、その分運用してほしい。

とのことでした。


もっといろんな人の声を聞く必要がありそうです。