総裁記者会見要旨

勉強のために、7月16日に発表された「総裁記者会見要旨」をよんでみました。
以下はいくつかポイントとなる部分を引用させていただきました。


・金融政策の2つの柱
第1の柱…将来を展望して、最も蓋然性が高い見通しを点検していく、すなわち最
も蓋然性が高い見通しが物価安定の下での持続的な経済成長という目的に適ってい
るかどうかを点検するというもの。
第2の柱…そのような見通し以外の見通しを、リスクという観点から点検していこ
うということ。


・金融政策の判断は、金融政策の効果の波及にはかなり長いタイムラグがあるとい
うことを踏まえる必要がある。
一般的には大体1年半から2年程度。


原油等の国債商品市況の高騰の背景については
?新興国の高い成長による需要増加
?地政学的なリスクや産油国の供給能力等の供給面の制約要因
?金融的、投機的な要因
が指摘されていると整理していた。


・足元景気がさらに減速していることの1番大きな原因は「交易条件のさらなる悪
化」


・設備投資については
?新規の投資と設備の除去
?減耗の結果である最終的な資本ストックの伸び率
を重視している。
…資本ストックの伸び率と毎年のフローの設備投資の伸びのバランスである資本ス
トック循環を重視し、点検している。


・物価上昇の要因としては、国際商品市況の高騰による直接的な上昇
セカンド・ラウンド・エフェクト(二次的効果)…輸入コストの上昇により物価が
あがった結果、先々の予想インフレ率も上がり、それが賃金の設定を始めとしたい
ろいろな賃金、物価形成に組み込まれていき、さらに物価があがっていくという効
果、までは起こっていないように見える。


プラザ合意の後にいわゆる政策協調という議論が盛んな時期もあったが、現在は
中央銀行間および学界においても、いわゆる政策協調は望ましくないというのが多
数派ではないか。


日本銀行の外貨資産運用対象資産として
第一に主要国の国際を中心とした高い安全性と流動性を備える債券
第ニに主要国の中央銀行に対する預金等高い安全性を備える預金
第三に高い安全性と流動性を備える金銭の信託にかかる信託財産
としている。


・予想インフレ率をどのように測っていくのか。
「生活意識に関するアンケート調査」…物価があがったと答える人の割合、消費者
物価指数と比べると非常に高い水準。
エコノミストの予想」…どちらかというと長期の予想インフレ率を重視したいと
いうのが比較的多い意見?
「物価連動債」…BEIには普通国債と物価連動債の流動性の差等が表われており、
適切な予想インフレ率とは言えない。
「賃金の動き、賃金の設定態度」…企業と労働者が先行きの物価を想定しながら交
渉していくため、インフレ予想が間接的に反映されている可能性。


・日銀が意識していることは、金利を上げる下げるということではなく、中央銀行
がどのような行動原理で動こうとしているのかということをできるだけ説明するこ
と。