伝統工芸のブランド化

東京のとある伝統工芸のブランド化に取り組んでいる。
販売、ブランド部門と分けて活動している。
僕は販売の中でも、特に直接販売(メールや電話による直接売り込み)を担当している。



何百件と連絡したが、返事は数えるほど…。



「ほとんどの市場が代替品市場となっている現在において、作り手側から見た価値を公明正大にうたうだけでは、ものは売れない。」



ブランド化を手伝うにあたり、そんなことはわかっていた。
しかし、自分たちが中に入ってやればやるほど、その間違いを犯してしまっている自分たちがいた。



一つ一つの商品を単体で売り出しても厳しい。
それは厳しい消費者からの値段競争に巻き込まれてしまうから。



ただ単に、「買ってください」というプッシュ型の戦略を立てていては、いつまでたってもだめだ。
どこかで、プル型へ転換できなくてはいけない。



いかに、プッシュ→プルにするのか?
後光効果が参考になるという…。



つまり、Aという商品というだけでなく、○○さんが使っているAという商品、○○さんが作ったAという商品、他人の権威を借りる、トラの威を借るなんとかである。



商品の出来が悪いというわけではない。
Aという商品には自信をもっている。
それでも、Aという商品のよさが伝わることとはまったく別のことである。
むしろ商品の出来がよいからこそ、見えなくなるものがある。



うまく伝えるというよりも、よさをすぐにイメージできることが求められる。



わかりやすいのは、「海外からの逆輸入」や「メディアへの露出」。
そのために海外のデザイナーとコネクションを持つ人たちや、新聞などをはじめとしたメディア関係の方に認めていただく必要がある。



今回の場合、“トラ”=“私たち”なのだ。
まずは既存のリソースを活かし、自分たちの活動こそに光があたらなければいけない。


伝統工芸の復興に関心のある人は、どんどん意見を聞かせてほしい。
特にメディア関係の人の目に留まるようなことがあれば、意見をもらいたい。