伊勢丹新宿屋上には庭がある

伊勢丹の新宿店屋上に庭があることを皆さんはご存知でしょうか?
その名も「アイ・ガーデン」。
僕も最近まで知らなかったのですが、日比谷アメニスという会社が協力して制作した屋上庭園らしいです。





アイ・ガーデンには3つの庭があります。
それぞれ春の庭、夏の庭、秋の庭というコンセプトがあるそうです。
聞いたところによると、なるべく自然に近い形で植物が植えられているとか。


また、ちびっこに作物を育てさせる「アイキッズクラブ農園」というのもありました。

綿花を育てるなんて、なかなか経験できないですよね…。



ネームプレートやパンフレットにはQRコードがついており、それを携帯電話で読み取れば植物に関する詳細情報が見られるそうです。


他にネームプレートが埋め込まれたポールもあり、専用の情報端末を用いれば近づいただけで音声情報を得られるとか。

ICタグを使ったこのシステムは、あの坂村健先生(東京大学大学院情報学環教授)が研究所所長をつとめるYRPユビキタス・ネットワーキングが関わっているらしいです。



しかしなぜ、伊勢丹の屋上に庭があるのか。
はやりのCSRの一環なのかなと思いましたが、伊勢丹のHPを見て少し調べてみました。



伊勢丹は企業倫理、行動基準として以下の3段階に分けて考えているようです。


1.企業として絶対果たさなければならない責任
…内部統制(コンプライアンスコーポレートガバナンス、リスクマネジメント)
2.事業を通じた社会貢献
…チャリティ、環境ビジネス、少子高齢化ビジネス
3.事業外での社会貢献(慈善的貢献)
…災害援助、フィランソロピーメセナ


うん?
環境ビジネス?
つまり、アイガーデンは事業内だと言う事になります。


総工事費は2億5000万円とあります。

ちょっと書いてあるのはアイキッズクラブの会員対象に携帯端末が貸し出されるとのこと。
しかし、このカードの発行料はたかだか500円。
ペイするとは思えません。


もしかしたら、ICタグの実証実験として補助金が出ているのかも知れません。



ちょっと話は変わりますが、投資業においてもCSRに意識の高い企業に投資をすることでよりよい収益を目指すという考え方があります。

しかし、現在のCSR投資ではCSRにもお金を使うことのできる優良企業へ投資することとほぼ同義になり、本来の趣旨とは若干ずれている現状があります。

金融に関わる者として、どうすべきか悩むところでもありますね…。



フィランソロピーギリシャ語のフィラン(愛)とアンソロポス(人類)を語源とする合成語。直訳すると人類愛、慈善。日本では「社会貢献」の意味で使われる。