Fundamentals of Corporate Credit Analysis①

会社の後輩と、自主的に勉強している内容です。


【前書き(Foreword)】
CDSや統計的な手法はクレジット分析の重要な役割を果たしうるが、ファンダメンタルズ分析に取って代わるものではなく、補完するものである。
クレジット分析はartであって、scienceではない。
そのため、クレジット分析の全てを網羅することは難しい。



【前書き(Preface)】
S&Pによる格付けプロセスは"ブラックボックス"と呼ばれることが多い。
しかし、そもそも黒か白と単純に説明できるものではない。
すべてのクレジット分析はその企業が財務的義務に応じる能力に影響を与えうる3〜5の重要な要素に基づくものと教わった。
本著は企業によって異なるそれらの要素が何であるかを決定付けることを目的としている。

  • 海外の本に多い、協力者への賛辞は省略-

【導入(Introduction)】
あなたはこれに投資をしますか?これは投資家たちに言い古された問いである。
投資を行う前にはあらゆるデューデリジェンスを行わなければならず、そのためには確立されたアプローチを習得するのが良い。
この本により学ぶのは、企業が債務負担をこなせるのか、こなす意思があるのかを評価するためのシステマティックで、かつ包括的な方法である。
最近では財務に問題を抱える企業が復活できるのかも評価の対象である。
クレジット分析は融資を行う銀行や機関投資家のみならず、企業が掛けで取引を行う場合にも意味を持つ。
クレジット分析により、良いも借り手、悪い借り手を区別できるが、融資機関や格付機関はいくつかの理由により、より細かいランキングに分類していく。


◎異なる国、セクターでの比較が可能。
◎リスクに対するプレミアムが見えるようになる。
◎大規模なポートフォリオを期間を通じて管理するのに有用。
ポートフォリオが部分的にいたんだ時、特に不景気の時期には回復の可能性について評価しなければならない。


よいクレジット分析とは、家を立てる時の土台のようなものである。
多くの投資家が聞いたことのあるであろう「クレジットの5つのC」について確認する。
1.character…評判、噂
2.capacity…債務返済能力
3.capital …資金調達
4.conditions…事業環境
5.collateral…担保


クレジット分析は以下の二つを捉えるために進化してきた。
1.default risk…返済時期に債務を返済する能力があるか、返済する意思があるか
2.recovery prospects…デフォルト時における回収率の見通し

  • 各partごとの概要については省略-


トップダウンアプローチをとるか、ボトムアップアプローチををとるかは大した問題ではない。
どこから始めるかではなく、何を分析するかが重要である。



【Part1 Corporate Credit Risk】

企業の業績や財務状況、究極的にはその企業の信用力に影響を与える要素について触れる。
まずは企業を取り巻くマクロ環境やビジネス環境の分析に始まり、資産やビジネスの質、経営陣による資産の活用、そしてその資産により作り出される財務状況の分析へ。

  • 各chapterごとの概要については省略-

【Chapter1 Sovereign and Country Risk】

実際のところ、多くの新興国企業のデフォルトは国のリスクにより引き起こされるものだ。

国の行動、決定はビジネス環境を変えるだけでなく、基礎的な経済や企業のダイナミクスにより影響を与える。

先進国には十分な資源、教育された労働力、健全な財政、金融政策、安定的な為替、妥当な税や関税、資本市場、銀行インフラ等があり、ビジネスを支える。
一方、新興国ではそれらを持たずに企業の成功が阻害される場合もある。

以下、企業のビジネス環境に影響を与える国やソブリンのリスクを5つに分けて述べる。

1.Sovereign Government Powers
2.Physical and Human Infrastructure
3.Financial Market
4.Macroeconomic Factors
5.Foreign Exchange Risk


具体的な内容は以下。
1.Sovereign Government Powers


2.Physical and Human Infrastructure


3.Financial Market


4.Macroeconomic Factors


5.Foreign Exchange Risk
新興国ではインフレや金利リスクが高い傾向にあり、為替の変動も重要。
原材料を輸入して、別の国で製造し、さらに他の国へ輸出するケース等では、必要な資金と使える資金に関連性がなくなり、支払いの脆弱性につながる。
通貨下落が輸出増につながる。